動物の命は人間より軽いのか - 世界最先端の動物保護思想

功利主義理解で首をかしげる部分もあるけれども、生命、環境、食など、さまざまなものが密接に関連していることを改めて考えさせてくれる本だろうか。

伐採のために森の動物が追われ、食肉にされて数を減らして行き、人間が住みかを広げていくことで行き場を失った動物が畑に入ったりすることで害獣とされ「駆除」される。

このように、現代において、住宅や調度品、楽器などに木材を使うことには、さまざまな問題が絡まっているし、人間の活動がほかの生命に対して大きな負荷となっていることなどは、これまでにも多くの論者が指摘してきた。

功利主義的な考えだが、動物の命が人間の命と同等だとはまでは考えない。けれども、動物という生き物さえも、使い捨てしまう現代のあり方には大いに疑問が残る。