マローンの合唱団

先日放送があった地球ドラマチックで、ギャレス・マローンが新たに作った合唱団のドキュメンタリーの放送を見た。

2010年 3月 4日(木) 19:00〜19:40
『町中みんなで合唱団! 〜大聖堂への道〜』

これは、NHKのオンデマンドでまだ見れる。元は「The choir:Unsung Town」というタイトルの番組のようで、4つに分割して放送されている。

次回は、最後で、2010年 3月11日(木) 19:00〜19:40
『町中みんなで合唱団! 〜最後の大舞台〜』

サウスオキシーというロンドン北部の小さな町。そこは人種的偏見にさらされた人々や労働者が多く住む地域らしい。マローンの企図は、そうした地域の人々に合唱を通じて、自信とソーシャル・キャピタルを提供しようというものだ。

朝から晩まで街中を動き回り、レッスンに奮闘する彼の努力も実り、番組を見る限りは、非常にうまくいったように見える(実際は、いろいろ問題もあっただろうけれども)。

昔、皆川達夫さんが言っていたことだが、合唱指揮者とはかくあるべしという模範のような人物である。

娯楽の提供によって、街中に、ある種の共同感情が芽生えるというのは、すばらしいことだ。

ただそれが可能になった経済的な環境も無視できない。娯楽が少ないところでは、合唱を通じて、人々が繋がり得るが、少し豊かになった地域では、こうした町ぐるみのことがどこまで成功するかは微妙かもしれないからだ。

しかし、分断された社会につながりを提供しようという、このような試みは、とても意義ある。