保守

先日、献本いただいた『イギリス保守主義の政治経済学』の合評会があったので、駒場へ。

保守主義を、何らかの価値を保守する「態度」として捉えたもので、時間的空間的政治的意味合いを脱色する形での定義が興味深かった。

丸山が昔、保守主義は価値を積極的に擁護する思想であるとどこかで言っていたように記憶しているが、どこだったか思い出せないので、『自己内対話』から。

保守主義
 信条やドクトリンではなくて、気質である。
 …。
 したがって『それは、自分が愛護することを覚えた対象が失われることを鋭く意識している人間、…」

丸山はオークショットからの引用として、上記のことを122〜123頁で書いているが、しかしオークショットは、保守主義と保守的であることとを区別しているようだ(オークショット『政治における合理主義』218〜219頁、中金聡『オークショットの政治哲学』112頁)。

保守主義には、日常的な意識でもある「保守的であること」とは違って、より積極的意味付けがされてきたように思う。

しかしここに来て、その保守主義よりも「保守的であること」の重要性を考えさせられることになった。。。