出羽の守

イギリスでは云々、アメリカでは云々とのたまう方は以前は多かった。最近では、ずいぶん少なくなったのではないかと思うが、以下の文面を見て、やはり首を傾げたくなる。

 

欧米文化ではシャツは下着です。下着丸出しで商談をしているなんてちょっと恥ずかしいことですね。一方、ベストを着ていればジャケットのボタンは掛けていなくても大丈夫であることも覚えておきましょう。

まず欧米文化という形で、語り出すものの内容には、相当疑ってかかった方がいいだろう(『ダメな議論』のようだが)。もちろんシャツが下着であるという位置づけにはまったく同意する。

しかし日本のような湿度と気温が高い国で、湿度と気温の低い国でのマナーを当てはめても仕方がない。

冷房が完備されたビルでは、上着を着てもよいのだろうが、それでも、エネルギーを浪費しますなぁという気分になる。

日本の伝統的な着衣で言えば、浴衣は下着のようなものであるという認識は一般には、ますます少なくなっている。ま、これだけ暑いし、着物文化が廃れた現代で、格付けにこだわるのもバカらしい。

ただそれでも、そのように断じ切れないもどかしさを感じてしまうのは、保守的な心情の現われか、痩せ我慢か、何かのコンプレックスか…。