維納

ひょんなご縁からお誘いいただき、大宮ソニックシティでのコルソ・ウィーンのコンサートへ。

前半はモーツァルトのプロ。アイネ・クライネ・ナハト・ムジークなど。後半はウィーンならではのプロとして、シュトラウス一家のもの。

個々の演奏レヴェルで言えば、やや物足りない面は残るものの、弦の艶やかさや全体のバランスは素晴らしく、何よりも演奏を聴いていて心躍ったのは久しぶりだった。しかも18時30分過ぎに始まったコンサートが終わったのは21時。存分に維納気分を味わう。

先年、お正月をウィーンで過ごした際の未だに残るカフェ文化や芸術に囲まれたあの街の雰囲気がまざまざと思い出されて、胸が高鳴った。

アンコールの見せ方もよかった。「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」はやはり予想通りだったが、その合間で2回演奏された「レンツ・サーカスの思い出」での演出が素晴らしい。老年のティンパニ奏者がおもむろに木琴の前に立ったかと思ったら、コミカルな動きで鮮やかに叩き出す。

2回目の時には木琴から、個々の管楽器に移って、途中はヴァイオリンも単独でメロディラインを弾くという趣向で、最後は総立ちで演奏。

「ラデツキー」ではニューイヤーさながらに会場からの拍手とともに演奏され、維納気分を存分に盛り上げてくれた。

締め切りが来週に控えていながら、大宮まで出かけたものの、すこぶるよい気分で帰宅。