英語の発音

日本語では「ア」は基本的に一種類しかない。英語ではそれが6種類にわたる。オに近いア、ウに近いア、エに近いア。これをごっちゃにすると、つまり聞き分けられないと、発言の意味が分からないことがしばしばある。

アオテアロア(NZ)で、Birdがバードではなく、どちらかと言えば、「ブゥァード」に近い音だと知ったときは衝撃だった。それ以来、同じ発音である、たとえばfirstとかも、どちらかと言えば、ウに近いアであることを知って、なるほど、随分と音が違うなと思ったものである。

ところで、ラジオのDJなどで流暢な英語を一見(聴)話すけれども、アの発音がたいていいい加減であることを指摘していた人がいたので、注意して聞いて見ると、確かに、流暢な英語ではあるのだが、細かい発音がどこかいい加減であることは往々にしてあった。

アの音を聞き分けられるかどうかは訓練次第であるけれども、イタリア語やドイツ語、フランス語をやっている人には英語は簡単な言語だという思い込みがあるせいか、存外、こうした発音の違いに無頓着なことが多い。

つまりそれは大抵聞き分けられないから同じ発音だと思ってしまうわけで、よほど自覚的に訓練した人以外は50代以上では絶望的である。

むろんこれは若年世代にも言えることで、私としても例外ではないのだけれども、英語帝国主義が問題になる一方で、英語をあまりに見くびることは別の暴力になり得るということにも注意が必要なように思われる。

そもそもloveを日本語風に「ラヴ」と発音されては興ざめでしかない。。。