ラフマニノフ

『社会統治と教育』の書評を書きながら、ラフマニノフを聴く。三重奏を一通り聴いた後、ピアノ協奏曲を久しぶりにかけてみる。

実はこの決定版は未だに見つけていない。強いて言えば、というか、ラフマニノフ自身がピアノを弾いているヴァージョンにどれも及ばないように思う(ナクソスで音質のよいのが出されている)。

ともあれ本日かけたのは偶々目に付いたもので、チェルカスキーがピアノ、指揮はテミルカーノフ、ロイヤルフィルである。The final recordingともあって、美しい音色を響かせている。が、リズムに自然さがなくて恣意的に感じられる。

カップリングされている「プレリュード」などは緩急や強弱が有機的に自然に感じられるから、これはおそらくテミルカーノフの解釈がまさっているのだろう。

テミルカーノフは好きな指揮者でライヴは素晴らしいと思うものの、アバド以上に録音がよろしくない。チャイコフスキーの5番や6番にしても、どうもリズムが恣意的で、抑制が効きすぎている(なんとも主観的な評で申し訳ない限りだが)。

はい、ここからここまではこのように演奏して、ここからは盛り上がって、しかしここからはまた冷静さを取り戻して急がずといった言葉が聞こえてくるようだ。

現代の音質で決定的なヴァージョンがないものだろうか。。。