パリ管弦楽団

一昨日はNHK音楽祭のトップを飾るプログラムを聴きにNHKホールへ。日本では初めて聴くパリ管。
http://www.nhk-p.co.jp/concert/ongakusai/

「華の都・パリ初演のバレエ音楽」と題して、ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」、ストラヴィンスキーバレエ音楽 組曲火の鳥」(1919年版)、ラヴェル組曲マ・メール・ロア」、バレエ音楽「ラ・ヴァルス」、「ボレロ」というプログラム。

管弦のバランスとしては、最初の「ローマの謝肉祭」が素晴らしく、「火の鳥」での「こもり歌」から「終曲(フィナーレ)」に移る際のホルンが出た瞬間の和音の変化にゾクッとくる。

「ラ・ヴァルス」はもう少し粘りが欲しいところだったように、今回の演奏は結構淡々とした仕上がり。案外それもよいのかもと思った次第。

最後は「ボレロ」。生で聴いたのは横浜でのサンクト・ペテルブルグ以来2度目。

ドラムの音がどこから聞こえてくるか最初は分からなかった。ちょうど弦楽の間に埋もれていたようだったが、途中から俄然、ノリがよくなったように思われた。

エッシェンバッハの指揮ぶりも面白いものだった。最初はほとんど微動だにしないので何をしているのかなと思ったら、どうやら眼で指揮をしていたらしい。

途中から頭を振りながら、さながらパントマイムというか、モダン・ダンスのような雰囲気で、パフォーマンスとして面白いものだった。

11月12日0時55分から、BS2「クラシック ロイヤルシート」で聴けるので、その点、観てみたいところ。
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/crs/

コンサート後はヴァイオリンのC氏を囲んで沖縄料理屋へ。クラシック好きが集う会となり、いろいろ興味深い話を聴く。エッシェンバッハのような指揮ぶりはほかにないものと思っていたが、某指揮者(名前は失念)が既にしていたとか。。。

ともあれパリ管のコンサートはいつも楽しげである。楽団員が全員真剣に音楽を楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。チェロに微動だにせず演奏をしている人がいて、あれは日本人かなと思う。日本のオケも財政的に大変だとは思うが、もう少し楽しげに演奏してもよいかなと思ったり。。。

それにしても、あの弦の柔らかさはどういうことだろうか。ヴァイオリンもそうだけれども、ヴィオラの音色も素晴らしく、弱音の弦の音がかくも美しいものかと改めて感じた一晩。