食習慣

辻信一さんの『スロー・イズ・ビューティフル』を読み直して改めて知った大谷ゆみこさんの「未来食」の話。

食の危機が論じられているが、それよりも怖いのは「食習慣汚染」だということで、現代の食生活は次のような変化があるという。


1.全体食(丸ごとのいのちとしての食べ物)から部分食へ(ばらばらフード)へ。

2.風土食から輸入食へ

3.適量食から過剰食へ

4.日常食からごちそう食(ハレの食事、儀礼食、思考食品の常態化)へ

5.手料理から工場での料理(機械による画一的大量生産)へ

6.自然の食べものから(化学合成物質が栽培、保存、加工、流通の全過程に使用される)人工の食べ物へ

7.植物性食品中心から動物性食品中心へ

こうした七つの変化の矢印を逆向きに辿ることが求められている、と大谷は言う

確かに食物にこだわって、自然農法の野菜をとり、肉類をとらなかったにしても、食習慣を正さない限り、そうした拘りは、あまり意味がないように思う。

食物にこだわることもなかなか厄介だけれども、食習慣を変えることも一筋縄ではいかない。

シモーヌ・ヴェイユは世界に存在する飢餓や貧困を思い、どのようなときにも決してお腹一杯食べるということをしなかった(できなかった)らしい。

それは確かに田川建三氏が言うように「祈り」を体現した行動でもある。

日常行為に埋没して、現に自分が在ることへの「感謝」を忘却することが多いけれども、そうしたことを思い出すだけでも、食習慣を変える契機になるかもしれない。。。