国民投票法案

衆院で可決。どうも暗鬱な気分になる。そもそも阿部政権が進めようとしている他の事柄と同様、内容がお粗末過ぎる。真剣にこの国の行く末を考えてのことだろうか。

各メディアが取り上げているように、さしあたり大きな問題としては、以下の3点だろうか。

(1)最低投票率の規定がない(2)公務員や教育者に対し「地位利用による国民投票運動」を禁じている(3)発議から投票までの期間が「60日から180日」では短すぎる−である。

発議から3ヶ月で有権者の3割に至らない賛成で改憲できるという仕組み。

もちろん発議から投票まで長ければそれだけ熟慮された結果がもたらされるのかということについては疑問が残るけれども、国家の重大事を決めるには些か短期に過ぎる。

2についても各論者が指摘しているように、実際は罰則規定を伴うものとなり得る(日の丸・君が代についての強制はないとされながら、職務規定を設けて違反の場合には罰則となっている事態と同様)。

さて、衆院の議員は有権者が選んでいて、彼らに有権者の意向が一応は代表されているというフィクションで政治が成り立っている。

が、さすがにこのフィクション性は虚偽にも近い状況であることは明確で、様々な方面で、別の政治への経路を探ろうという試みがなされているところだ。

いい加減な内容の国民投票法案が衆院で可決されるという事態に至って、心の中では、あの内容ではまずいと思っていても、その阻止に積極的にコミットして来なかったことに、どうにも気分が悪い。。。