温暖化

「脱原発に“異議”」ドイツ・メルケル首相だそうである。

脱原発政策維持の大連立合意を尊重するとしながらも、原発は温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を出さないとの見方に基づき、「わが国の原発は極めて高い安全基準を有する。多くの国では、これほどの基準を満たさない原発が今も建設されている」として、脱原発政策の見直しに含みを残した。」

不都合な真実』に象徴的に現われているように、温暖化をターゲットにした結果として、二酸化炭素排出規制→原発推進というシナリオはいたるところで見られる。

もちろん地球温暖化そのものは現象としては事実である。ただそれはさまざまな論者が主張するように千年単位の気候変動に関わっているし、以下のさまざまな要因によっても気温は影響を受ける。

・微粒子(エアロゾル):大気中に存在する微粒子による太陽エネルギーの反射→冷却効果。
・水蒸気のフィードバック:地表面が暑くなって蒸発した水が熱を吸収するという冷却効果。
・雲のフィードバック:「高さや厚さ、そして含まれる水蒸気、氷粒子、大気エアロゾル分布に応じて気候を冷やしたり、暖めたりする」
・太陽の活動:フレアの活発化
『環境危機をあおってはいけない』参照

森林面積は急速に失われているが、同時に急速に増えてもいるといった点などバランスのよい見方をしなければ、ワールドウォッチなどのように単に環境危機をあおるだけことになってしまう。

雲の生成メカニズムなどは週間予報がめったに当たらないことを見ても分かるように数日後でさえほとんど予測が不可能だから、気候に関して数十年後、100年後がどうなるかについては不確定なことしか言えない。

二酸化炭素削減しても地球温暖化は止まらない可能性の方が高いと言えるが、新しい産業の発展や原子力の利用ということで、二酸化炭素の削減が声高に叫ばれているのかもしれない。

数十年後、二酸化炭素はやはりあまり大きな要因ではなかったとわかって、それから対策を講じるくらいなら、そんな不確定すぎる要因よりも、もっと別の問題に対策を講じた方がよいのは当然だろう。

二酸化炭素の削減を生活スタイルに選ぶことはこれまでの生活スタイルの大幅な変化を伴わずに「善い事」ができるので、先進国の人にとっては楽なことであるし、政治家が声高に叫んで支持を得るにも好都合という側面もある。

IPCCが出す予測にしても、メディアではたいてい「最大六・四度上昇する」といった具合に、センセーショナルな書き方で、それぐらいの幅かを明記しているところは少ない。

太陽の活動が活発化しているから暑くなるのは当然なのだが、温暖化については冷静な分析と対処が必要であることをメディアに接するたびに感じる。