週末に

一年越しで実現したチーズパーティーで馬込に行く。

ちょうど知り合いのお茶の先生が近くだったので、連絡を入れて、お昼をご一緒する。お酒好きで「ザル」ではなく「ワク」とあだ名された方だったので、残り1本となった「くどき上手 愛山」を持参して一献。

馬込は文士村という名前があるように、大正から昭和にかけて多くの文士たちが集まったところ。先生の家のすぐ近くには三島由紀夫の家がある。

今も彼の名前の表札がかかっているが、ギリシャ神話かの石像が庭にあり、洋館であったことに驚く。彼のイメージと洋館が容易には結びつかなかった。

その後、池上本門寺まで歩き、徳川家のお墓や日蓮上人入滅の地を見て回る。思いのほか大きなお寺だ。空気がよいので、この辺りに住むのもよいかもしれない。。。

夜、駅で待ち合わせをして、同じ合唱団のTさん宅へ。先ほどのお茶の先生のお宅とは眼と鼻の先で、場所はすぐに分かったけれども、内庭があるとてもお洒落なマンションで、最初入り方が分からなかった。

とても厳選された食材からなる前菜と鴨肉と豆の煮込みを戴いた頃には結構お腹が満足していて、それにワインも持ち寄りの中から既に3本は空いていた。

それでチーズである。Tさんご自慢のチーズだが、確かにその辺のチーズ屋さんでは手に入らないレベルのもので、これほど美味しいとは思わなかった。

羊、山羊、牛の乳で作られたチーズ。いずれも素晴らしい味わいで、これほどだったら後は野菜を食べていればよいので、ヴェジタリアンになれそうだ。。。

またリヴィングには輪島塗りの角偉三郎氏の作品が飾られていて、これまた迫力がある。Tさんが或る宿に泊まった折、そこで飾られていた角氏の作品に衝撃を受け、4枚も購入されたとのこと。

角氏を特集したNHKのビデオを見つつ、素手で漆をお盆やお碗に塗りつける様子に見入ってしまった。

あっという間に夜は更けて、帰宅すると午前様ながら、素晴らしいチーズに出逢えた夜だった。