京都にて

某学会の幹事会出席のため、週末は京都へ行った。2年にわたる事務局の仕事もこの幹事会開催の後は、ニュースの発行と決算、引継ぎで終わりとなる。

水曜日に某先生から電話があり、急遽京都案内をすることになった。前日、「くどき上手 雄町44」(やはり美味しい!)をたらふく飲んで、しかも完徹で朝早く新幹線に乗り込み、うつらうつらしている内に京都に到着。

当初の予定は金閣寺と高雄だったが、京都駅で少し手間取ったので、嵐山めぐり〜昼食〜高雄あるいは四条ということになった。

まずは「日本第一酒造之神」と書かれた灯篭がある松尾大社へ。平安京以前に創建されたらしいこの神社は国津神系だろうか。広大な所領のほんの一部分である本堂をお参りする(これからも美味しい日本酒と出逢えますように....)。

松尾大社を後にして桂川べりを歩きながら渡月橋へ向かう。紅葉はまだ2〜3割といったところだろうか。

まだ12時頃だというのに、嵐山の斜面にはもう陽が当たっていない。桂川側の斜面は思ったよりも北に向いていることを感じた。

渡月橋からおみやげ物やを横目に、夏柑糖が美味しい「老松」まで行った後、天龍寺へ。こちらはよく陽があたるせいか、紅葉の美しい楓に出逢う。

そうこうするうちに、お昼の時間になったので、嵐山界隈のうどん屋さんの香りについ引き込まれそうになるのをおさえ、桂川をくだり、「てんぷら松」へ。

相変わらず美味しいお料理を出してくれる。1週間に1度食べに来るお客さんもいるらしく、日々料理を研究しているこのお店は、京都で食事をする際に外せない、知る人ぞ知るお店(写真を撮り忘れたのが返す返すも残念無念また次回)。

完徹のため、あまり詳しいことは覚えていないけれども、
・柿と山くらげのゴマ和え、蛤の煮たもの(山椒添え)。柿の皮部分を器にするあたりも面白い。
・トマトと魚のすり身の揚げ物に、魚の骨を揚げたものがつく。
・お造りはまぐろ、甘エビ、炙った鯖(京都でまぐろというのは、三崎漁港の近い先生ご夫妻にはどうかなと思ったが、大きな菊の花に盛り付けられていて、少々変わっていた。
・たっぷりの蟹の身と卵に味噌がかかった蟹御飯(小さい蟹を1個まるごと使うらしいが、名前を失念)先生ご夫妻はこの御飯でそろそろ終わりと思われたらしい。。。いえいえ、まだまだ続きます。こちらの盛り付け方も秋らしく、木の葉が上手に使われていた。
・碗物は鍋風に、松茸、フグ、湯葉が入っていて出汁が美味しい。
・京都野菜のナス(またもや失念)を素麺風に細く切って氷の器で冷たいお出汁で戴く(これはうどんくらいの細さの方がよいのではと感じられる)
・石焼(イカとたこを丸い石の上で焼いてくれる)一瞬炙っていただくのだが、水切りしたお豆腐をあわせ味噌に半年入れて、お酒でといたものを塗って戴くが、これまた絶品! たこは明石産ではなく、その隣にあるところのものらしいが、またもや失念。しかし質は明石産よりもよいものが入ることが多いという。
・天ぷら(かぼちゃ、レンコン、ししとう、茄子、さつまいも)とにかく火の通し方が絶品。お茄子は外はかりっと、中はとろける。
・鮎でとった出汁で戴く素麺。川魚のなんともいえない風味がよろしい。
・デザートにあんみつ(蕎麦粉のかかったアイスがまた美味しい)お茶は二種。ブルーベリーのお茶と普通の番茶。

何か一品忘れているような気がするが、どうも思い出せない。。。車の運転のため、サーヴィスで出してくれた竹筒に入った「玉の光」純米吟醸をいただけなかったのが残念(先生は美味しそうに飲まれていた)。

昼食を済ませると、もう3時過ぎになっていたので、四条へ向かう。そこで驚愕の事実が判明する。独特なカレーとスープ、夜はコンドルのお肉を食べさせるインカ料理のお店がどうやら閉店した模様なのだ。

たまたまお休みだったのかもしれない。しかしお店のご主人の年齢を考えるとそろそろ危ないはずだ。20数年ほど前にこのお店のカレーのあまりの辛さに驚いて、一口入れた途端、店を飛び出して外ではぁはぁ言っていたことを思い出す。

京都では異色のお店だっただけに残念ではある(ちなみにコーラが南米とアフリカのごく一部で成育する木であることを知ったのはこのお店のご主人から)。

翌日は11時に幹事会が開かれる深草の大学へ。思ったより駅から近く、綺麗な建物が立ち並んでいる。幹事会案内の看板も出ていて、開催校の先生のご配慮が感じられた。

幹事会では次期代表幹事も無事決まり、、、しかし決定した折の某先生の沈痛な表情には、お気の毒という気がする。。。

ほぼ予定通りの7時30分に終了して、その後は一杯お付き合いする。幹事会と同時開催だった関西部会5時30分頃に終わっていたので、お店に来るとほとんどの方はすっかり出来上がっている。

シジウィックを研究している大阪大学の院生から、ベンサム→シジウィックという話を聞く。彼によると、ミルを飛び越えて両者はとても近接した関係にあるのではないかという話。

シジウィックの著作にはベンサム民法典への言及がよく見られるらしく、この点で、安全を重視する制度設計をしようとするベンサムとシジウィックの共通性が見出せるという話でもある。

またベンサムの女性論について、某先生からちょっとした研究会のお話を伺う。研究を進めるためには、もう少しベンサムの諸著作について検討する必要があるので、しっかり読み込むことにしよう。

日曜日の午前中は少しゆっくり過ごして、東京に帰る途中、名古屋に立ち寄る。功利主義研究の大家であるN先生がこれで最後にすると言われたオケの演奏会へ。

先生ご自身はチェロをお弾きになられる。曲目は、モーツァルト魔笛」序曲、グリーク:ピアノ協奏曲、チャイコフスキー交響曲第4番。

管の鳴りといい、聞いていて楽しい音楽会だった。弦楽の弱音部分の不安定さが気にはなったものの、それはアマチュアだから仕方ない。

終演後、先生とロビーでお会いする。やはりこれでオケへの出演は最後と仰っていた。

さて、月曜日は早速もろもろの雑用を片付けようと思ったが、半分もやれなかったので、明日は早起きしてがんばるとしよう。。。あ、講義の準備もあった。。。