「教育改革国民会議」

のことが話題になっているらしい。提言の内容があまりにひどいというのが一般的な論調。

たとえば、こちらのサイトでピックアップされたとんでもないことは以下のようなもの。

* 子どもを厳しく「飼い馴らす」必要があることを国民にアピールして覚悟してもらう
* 「ここで時代が変わった」「変わらないと日本が滅びる」というようなことをアナウンスし、ショック療法を行う
* 「しつけ3原則」の提唱・実施  甘えるな・他人に迷惑をかけるな・生かされて生きることを自覚せよ
* 国民会議の提言を広く国民に知らせるための積極的な活動
* 家庭教育について対話できる土壌をつくるため、企業やテレビと協力して古来の諺などを呼びかける
* 子育てにおいて必要な事項を決めた育児憲章を作る
* 家庭教育手帳の年度毎の更新、配布
* 義務教育年限の子どもの扶養控除額を100万円に引き上げる
* 出産後の親業教育の義務化
* バーチャル・リアリティは悪であるということをハッキリと言う
* 名刺に信念を書くなど、大人一人一人が座右の銘、信念を明示する 
* 教育の責任は当人50%、親25%、教師12.5%、一般社会12.5%であることを自覚させる
* 簡素な宿舎で約2週間共同生活を行い肉体労働をする
* 満18歳で全ての国民に1年ないし2年間の奉仕活動を義務づける

全体の概要を知りたい場合は、こちら

委員長は悪名高い江崎玲於奈氏で、ボランティア論で有名な金子郁容氏がいたり、法哲学者の田中成明氏もいるが、提言のお粗末さはどうだろうか。

尤も、これらの点については、斎藤貴男氏が『機会不平等』などで、(おそらく)いち早く指摘していたことだが、事態は現在でもそれほど変わっていない。

こうした流れのひとつとして、教育基本法の改正(改悪)は、お国のために命を投げ出す人間を作るためと豪語した民主党の政治家もいたようだが、それと同時に甘えるな、世間は厳しいのだというのがここ10年ほど社会に蔓延してきたように思われる。

明らかに生活状況の悪化をもたらした小泉政権の遺産は肝心の経済状況を改善せずに、「気合だ」式の精神論を声高に叫ぶことでまかり通ってしまう状況を作り出してきた。

このような状況においては、マルクス主義的な経済決定論=経済的下部構造を重視する見方は大いに意味のあることではなかろうか。