柳宗悦
『茶と美』(講談社学術文庫)を手に取る。就中、「茶の病」は家元・宗匠の批判(これをやりすぎてお茶の世界から総スカンとなったらしい)。
批判の内容は点前や茶事に精通することが茶道ではないということに尽きる。況や、茶事の知識を自慢することなどもってのほか。日常生活に茶での修養を活かすことが大事であると彼は言う。この点はまったく賛成。
すぐ人を軽蔑する茶人の悪い癖など、確かにそういう方もいらっしゃるなと思うけれども、果たして、彼が当時目にしたお茶はそんなにひどいものだったのかと驚く一方、現代もそれほど変わらないのかと思ったり。。。
ただ彼の民藝のスタンスには一概に賛成できないものもあるので、今回の茶道批判も、まぁ、もう少しまっとうな茶道の面も見てはいかがという気がしないでもない。
ともあれ彼が指摘している茶道に携わる者の悪弊に陥ることだけは慎みたい。