右側/左側

東京新聞に「左側通行 右側通行 あなたはどっち派? 人波のルール」という記事が出ていた。

車は左、歩行者は右だと思っていたら、この規定は存外新しいものらしい。

「江戸時代は武士が左腰に刀を差していたので、互いのさやが当たらないよう左側を歩いていたという説がよく知られている。ドイツ人医師シーボルトの記述に「この国では左側通行の秩序を守っている」とも。」

「警視庁は一九〇一(明治三十四)年、文明開化による馬車などの増加に伴い、正面衝突の事故防止のため人も車も左側通行とすることを通達」。「戦後の四八(昭和二十三)年に施行された「道路交通取締法」でも、やはり人も車も左側だった。四九(昭和二十四)年の同法改正で、ついに「車は左、人は右」となる。」

まぁどちらでもよいのだが、車に関して右側通行か左側通行かについて、地図で示してくれているサイトがこちら。文字を書くのは右手がよいという理由の中で、血液循環を挙げているのはどうなのだろう。

船は右側通行が国際ルール。ナローボートも当然右側通行でお互い行き交っていた。

江戸時代の武士の通行について、こちらではこんなことが書かれている。

「A説《右側通行》
武士は左側に刀を差しているので、前方から来た武士に抜き打ちに切られないようにするために、右側通行が守られていたようであるとされる。

 B説《左側通行》
武士は左側に刀を差しているので、右側通行をすると刀の鞘と鞘がぶつかりやすいとされる。」

どちらも一理あるが、刀の長さも時代によって変わるのでA説よりも、B説の方が納得し易い。。。

現代では、地下鉄やJRなどの階段が混雑時を規準に上り下りの幅を決めているらしい。ただ朝のラッシュ時なのか、夕方のラッシュ時なのか規準はなく、また右側か左側かについても統一がない。

つまりは人が多すぎるということに尽きる。こうしたことは「社会的弱者」については過酷な環境でもある。

鉄道各線の「合理化」志向は車椅子が通ることのできる自動改札を設置するまでに何年もかかったように「社会的弱者」を排除する傾向にあるが、たとえば左腕の不自由な老人がエスカレーターに乗る際に右手を支えに乗る場合、エスカレーターの右側に寄る必要がある。

右側は東京では歩いて上る人のために空けておかなくてはならないという慣習が出来上がっているから、いきおい老人は邪魔な存在となる。止まってエスカレーターを上がる左側はびっしり人が乗っているから、その老人には後ろから怒号が浴びせられることも少なくはないらしい。

あれだけの人数が狭い空間に押し寄せるのだから、仕方ないと言えば仕方ないのだが、もっと時間に余裕をもってもよさそうなものだ。