赦し
人間が配慮し得る対象というのは人それぞれで違う。誰を配慮の対象にするか、どこまでその範囲を広げればよいのかはなかなか厄介な問題である。
血縁で言えば、一家族だけに配慮する人、数家族に配慮する人、その「家」に連なる人すべてに配慮する人などなど。
血縁はまた財産ということとも絡んでいるので、非常に複雑な人間関係を織り成すことが多い。
人間はその時の欲望であれ、気の迷いであれ、とんでもないことをしでかすことがある。
そうした人間の清濁を併せ呑んで尚かつ笑顔でいられるようになりたいという話を聞き、まさにその通りと思った昨晩。
過ちを犯し得るのが人間だと口で言うのは容易い。
自らを、そして近しい人を裏切った人間に対して、人間とはそういうものだと思い赦すという思想を実践するのは容易いことではないが、それが出来てしまう人に出会うとただ尊敬するばかりだ。