市場と強制

ジャワ島の地震による被害で5千人近くの人々が亡くなったようだ。まずはその方々の冥福をお祈りする。

巨大地震の可能性が高い東京に住んでいる以上、この出来事は他人事には思えない。。。

さてローマ法王アウシュビッツを訪問したらしい。記事でアウシュビッツ強制収容所の門にある「働けば自由になれる」という文句を目にして、改めて一昨日の脅迫装置としての市場という議論を思い出す。

ヴェーバーが昔『プロ倫』で語ったように、たとえ市場とは無関係でありたいと願っても、市場の強制力は否応なくすべての人々をその圏域に巻き込んでしまう。

もちろん、市場において人々は自律的に、責任をもって、労働に励むように脅迫される制度としての市場ということと、過程はどうであれ、劣悪な環境に置かれ絶望的な情況に陥った「ALBEIT MACHT FREI」の問題とを同列に論じることはできない(また市場にも様々なレヴェルがあるので区別する必要があるけれども)。

市場の問題と貨幣の問題とはこれまた区別する必要があるだろうが、こうした市場の強制力がグローバル化し、人々の生活を良くも悪くも変容させている一方で、「現代奴隷制」のように、アルシュビッツの再現であるかのような情況が先進国でも生じているという事態に、何か暗鬱としたものを感じざるをえない.....