デモ

「サウンドデモなぜ摘発」

デモというと、いろいろな政治団体の利害が絡んだ団体顕示の場でもあったが、近頃は欧米化してよりファッショナブルに多様化しつつある。何かの主義主張を皆で繰り返し叫ぶのではなく、歌を歌いながら、パレード行進するような感じのものもある。

今回の事件では、サウンドデモという形態で、DJをしていた人が逮捕されることになった。しかも100人足らずのデモで、事前にデモの内容を記した申請書を提出して警察署からの許可もある中で、である。

容疑は道交法違反55条1項違反。トラックの荷台に乗るのは積載している荷物をおさえる場合などに限るということで、今回はそれに該当しないため違反だとのことだった。

しかもデモの出発直前、荷台に乗る予定だった人数を一人にするようにという警察の指導があり、そのようにした状態での逮捕である。さらにデモ参加者を上回る警官が沿道とデモ参加者を隔てるという異様な整理振りであったらしい。

デモの内容が実際どのようなものであったのかは知らないが、明らかに表現の自由の制限であるし、渋谷や原宿という人目に付きやすいところでのデモの弾圧は見せしめ的な意味合いで行なわれたのだろう。

マスメディアの多くが政治家や企業の批判をできないでいることを考えると、デモは微力な市民が最も効果的に意思を表明できる機会のひとつである。様々な既得権益に胡坐をかいている人々からはこうした市民の運動に敏感になるのは分かるが、多様な意見を押しつぶしては社会そのものが逼迫する。

ただ「デモ」という言葉は別の言葉に変えてもよいかもしれない。「ピース・ウォーク」というものがあったが、「ウォーク」なり、「パレード」なりでもいいかもしれない。カタカナであるところが気にはなるが、言葉を変えることで従来染み付いてしまったイメージを払拭できるからだ。そして政治に関わることがもっと気楽なものとして日常生活に溶け込む必要があるだろう。。。