原発、共謀罪

一旦巨額の資金を投入して始められた公共事業が不必要と分かった後も諸々の利害から途中で終わらせるのが難しいように、原発も途中で終わらせることなく、できるだけ「有効活用」しようとしている。しかし電力をまかなうといいながら、ほとんど役に立っていない(夏のピーク時の数時間のみ有用)。そのような状況で環境に甚大な被害を与えるものが強行に試運転を始め、その廃液が海に排出され始めた

今回の廃液が実際にどの程度まで海洋の汚染となるかは正直分からないが(微弱であるかもしれないし、後に甚大な被害に繋がるかもしれない)、予想よりも早いペースで排出が始まったようだし、「本格操業が始まると二日に一回程度、約六百トンの廃水を海洋に放出する見通し」というのは尋常ではない事態となる。

一方、共謀罪は連休明けに採決が持ち越されたものの、結局、いくら法務省の役人や政治家が人権尊重を第一になどと言っていても、その人権の適用範囲が運用の際には変幻自在に変わり得るわけだし、そもそも実行行為以前に犯罪として取り締まれるという事態こそ異常だ。

治安の問題をはじめてとして、多くの問題は社会経済的な問題を背景にしている。その根本的な解決(むろんそれですべてがまるく収まるような解決にはならないにしても)には長期的な視野にたち「粘り強く」あたらなければならない(これを具体的につめる作業がどうしても必要だが.....)。対症療法的に共謀罪などを新設することは無意味で、小泉首相は暢気に「外遊」などしている場合ではないのだが。

フーコーの『異常者』についての講義録は随分以前に購入して斜め読みした後は手付かずのままだった。今日、ちょっとしたレビューを読んで、今更ながら凄い洞察をしているなと感じる。いや、洞察というよりも、その分析枠組みの凄さというのか。思想史の塗り替えというか、現代までの影響力の深さというか、こうした仕事を常に意識して対象に取り組まないといけないと改めて感じる。

夕食をとろうと思っていたら、O氏から電話があったので、家に来てもらい一献。シャンプーに含まれる樹脂の話についてはちょっと怖い話を聞く。日常的に使用しているものが体内に堆積して突然死や病気を招いてしまうことはよくあるが、現代ではそうしたものがあまりに多すぎるように思う。

さらに夜電話が入り、某仕事も来週から本格的に始まることになるとのこと。講義や研究会での報告準備、JSUSのことなど、やるべきことが山積みのような気がするが、忙しいくらいの方が生産性は上がることだろう。。。おそらく。。。と言って、質は下げたくないが。