初講義

昨日は某横浜の大学の初講義。授業前に講師控え室に行くと、初回の授業に誰も来ませんでしたと年配の先生に相談している新米講師がいて、ちょっとドキッとしてしまう。

初回は学生がどの授業をとろうかと様子を見にくる講義なので、経済学史を学ぶ意義や歴史学・思想史の方法論の話をする。E.H.カーを使ったり、野家さんの物語り論を援用したりしつつ、学史を学ぶことによって、問うことの重要性、相対的な視点を得られることの重要性を話す。

講義の注意事項として開始時間は厳格にするといいたかったのだけれども、教室に入ると、既に学生が勢ぞろいしていたのには驚いた。おそらく履修準備期間でほかの講義が早く終わったからなのだろうけれども。夜の講義なので、受講者は少なく4人。ただ実際に履修する人はこれよりも多くなることが通例らしい。

1時間ほど話してから、学生に現在、疑問に思っていること、危機を感じていることなどをたずねると、金融の問題、とくに個人投資家の増加の不気味さとか、ホリエモンに代表されるような、巨額のお金が生産とは無関係のところ動いていることの問題性や、年金問題少子化の問題を挙げる学生がいた。存外、社会的関心が高い学生が来ていたようで、これは本腰を入れて講義しないといけないと改めて思う。

しかし初めて利用する教室だったので、Powerpointをプロジェクターで映し出すのに随分手間取ってしまう。。。次回は17〜18世紀のイギリス政治史・経済史をまとめた上で、マンデヴィルの講義。