昨日のこと

昨日は朝から本郷にてベンサム研。最初はK氏の報告。今まであまり論じられてこなかったベンサムアメリカ(合州国)認識は彼の思想形成を論じる上で意外に重要かもしれないと感じる。

その次は京都から来られたK氏の報告。「世界の立法者」を鍵概念にベンサムの法思想の歴史的な再構成と現代的意義について。間接立法論の位置づけがなされていないのが残念。後期ベンサムにおける立法体系の詳細をもう少し知りたかった(尤も報告途中に睡魔に襲われて参った)。

最後は今度助手になるA氏の修士論文の合評会。手堅い出来だが、どうも最近あのような分析系!?の論文を読み通す訓練をしていないせいか、議論についていけず。。。昔O先生が功利主義を12に類型化されていたが、それをさらに詳細に検討している。今度ちゃんと読み直そう。

研究会の後、桜を見ながら構内を散策して、春日のイタリアンで飲む。1時間ほどして失礼して、神保町の「新世界」へ。バスのM氏の大阪転勤で歓送会。お料理は先日の音楽会の際とそれほど変わらなかったが、1996年陳譲紹興酒を戴く。M氏が最初に甕に刀を入れてお店の人が石膏を外し、蓋の竹や蓮の葉を剥がして上澄みを戴く。1996年のものはこれが最後だとのこと。普段は紹興酒が苦手な私でも楽に飲める。。。H氏のTOHU白ワインやボルドーの赤などを戴いて歓談。飲み過ぎてしまった。。。

イギリス哲学会でのS先生の報告で、徳論重視の社会保障を主張された際、道徳教育の必要性を論じられていた。他人に迷惑をかけないとか、困っている人には手助けしましょうといったことを授業で取り上げることは確かに必要だろう。ただ道徳の内容は措くとして、すべきことが対立する状況について適切な解答が現場でなされるのだろうかと伺ったところ、大丈夫だとのS先生の回答。。。

その関連で今朝の東京新聞「公立高校の教科に聖書」という記事が出ていた。他の信仰をもっている人に対して聖書をテキストに使うことには問題があるだろう。

道徳教育という点から言えば、新約はよいかもしれない。旧約はジェノサイドやありとあらゆる罪のオンパレードだから、果たしてどうだろうか。それにアメリカのキリスト教はとくに原理主義の影響が強いから、「客観的」に教えるといっても、相当程度「真理」の押し付けになってしまうのではないだろうか。。。日本の聖書も早くちゃんとした翻訳が出ることが望まれる。。。