箱根

一昨日は某大の研究合宿で箱根に。電車で行く箱根は久し振り。ぼ〜としていたせいか途中の小田原駅で降りてしまい、集合時間に5分遅刻。。。

「富士の間」という結婚式用の会場で、研究報告1本目はヴェブレンによる(J.S.ミルによる修正)功利主義評価について。功利主義の方法論的個人主義によって人間行為を科学的に検討する余地が生まれ、修正功利主義による習慣や多様な個人の把握という「事実」認識によって経済学が適切に科学として成立することになったというお話。。。2本目はベンサムの経済思想。ベンサム功利主義を理解するには民法典構想と生存権重視とが重要だという話。その中でO先生は死というものが幸福計算の対象になり得ないほどの重大な問題だということを強調されていた。つまりB.ウィリアムズなどの常套的な功利主義批判でよくされる、1人の生命を犠牲にすれば、数十人が助かるという状況の場合、功利主義者は何のためらいもなく、その1人を犠牲にすることに同意するということへの反批判。。。しかし問題は単に功利主義への誤解と言うだけではなく、そうした仮説的状況に対してヨリ適切に応える枠組みを提供することだろう。。。

さて研究会後、久し振りの温泉。宴会にはこれまた久し振りに「百年の孤独」を戴く(定価は2,571円らしいが、このホテルでは18,000円で出されている)。某大卒の某氏のお蔭で無料で提供。。。「森伊蔵」(このホテルでは5万円の値がついていた!)も出してくれるという話だったが、呑み助の方がいなかったので結局出てこず。。。

宴会後部屋で数時間寝た後、隣の部屋での二次会に合流。労働組合や審議会といったものがいかにお金をめぐってどろどろしているかを伺う。。。ただ労働運動の重要性を主張したのは共産党や旧社会党の人ではなく、宮沢喜一だけだったというエピソードは保守の健全さを物語る。。。

翌日早朝に温泉。美味しいと評判のクロワッサンを戴くが、評判だけの味だった。。。素晴らしいお天気の箱根。某合唱団で練習している「箱根の山は天下の険〜♪」とつい口ずさんでしまう。

梅も見頃になっていて、お花見したいところ。そういえば、小松氏の『古典和歌解読』によると、古今和歌集からは和歌表現が深化して文字表現に頼るようになっていくという話は興味深い。単に声に出して詠むだけでは和歌の複雑な構造が読み解きにくくなっているらしい。その点、巷間の解説書で和歌の現代語訳をするのは、俳句を英文に訳しているようなものだという批判にはなるほどと思う。

お昼前に小田原に着いて、「菜の花」で和菓子とお抹茶、その後お昼を「松琴櫻」にて。薄い色のタレがかけられた鰻丼を戴く(なぜかお店ではうな重の表記だったが)。1,100円くらいから2,600円ほどまでのヴァリエーションで、1,600円程200gの鰻丼にする。ご飯の量がちょっと少なすぎるのと、身が柔らかすぎたので5段階評価では3.5といったところか(厳密な5段階評価ではないが)。