代用監獄

帰国して読んだ新聞記事で気になったのは、代用監獄に法的根拠を与えようとする法改正案である。これまで、そして今現在も進行中の冤罪事件が代用監獄によって生じている。それは外部からの遮断と自白の強要に原因があり、通達によって運用されてきた代用監獄については古くから日弁連をはじめアムネスティなどの各団体が問題を提起してきた。

刑事ドラマで被疑者の自白を暴力的に強要する場面は少々過剰な描写だが、無実の被疑者が取調べに当たった者に犯人だと目された時何を言おうとも聞き入れて貰えないことは多いらしい。警察署で取調べを受けるということだけで緊張するのが普通だろうから、余計に怪しく思われてしまうことはあるだろう。

昨年はとかくあった話だが、メール疑惑といった些細な事柄に政治家やマスコミが大騒ぎする時には、その裏で実に様々な怪しい法案の成立が意図されていることが多い。もちろん警察機構の改革は必要だろうし、被害者(遺族)の人権の問題なども修復的司法の観点などを入れながら検討していく必要がある。

それにしても十数年前、法哲学の講義で初めて知って問題だと思った代用監獄の制度が今になって正当なものとして制度化されようとは。。。