フランスの弦楽の質感

昨晩、合唱練習の後の席で、信州大学のオケにいた友人がフランスものはフランス、カナダ、スイスのオケに限ると言っていたことをふと思い出した。そのときは、最近のオケは随分とインターナショナルになっているし、オケ独自の音とか、お国柄のようなものは希薄なのではと思っていた。

今日、ながらでいろいろ仕事をしている際に、プーランクのピアノ協奏曲が聞こえてきた。デュトワ指揮でモントリオール、ピアノはロジェ。柔らかい弦楽に気持ちよく浸る。その後、アバド=ベルリンの「牧神の午後」が流れ始めると、ベルリンフィルの田舎っぽさというか、ドイツらしい雰囲気が感じられてきた。ぜんぜん優雅な演奏ではなく、なんというか、ドビュッシーがまるでブラームスの曲のような雰囲気である。

その後、メンデルスゾーンのトランペット序曲を同じアバド=ベルリンで聴いたが、なかなか絢爛豪華。しかし弦楽の柔らかさがほとんど感じられない。やはりドイツのオケでフランスものは難しいのか。。。

フランスのエスプリというと、どことなく洒脱な気がするが、ドイツ語のガイストにはどうもしかめっ面で議論しないといけないような雰囲気がしてくると同じようなものだろうか。

パリ管にいるC氏に以前聞いた話では、管楽器に定評あるあのオケの弦楽パートの皆さんはその評価を覆すために、いつも演奏会では頑張るらしいが、彼らの腕の軽さには脱帽してしまうという。。。柔らかい弦楽の音はそうした軽やかさから生まれているのかなと思ったり。

さて、仕事と思ったら、もうお昼だが、騒がしい曲の後に、フォーレの「ドリー」の静けさを聴くのは素晴らしい。