田舎での生活

東京新聞「地方活性へ『田舎においで』」の記事を読む。

地方自治体による「Iターン推進事業」はこれまで、主に若者の移住を目標にしてきた。しかし、経済的に自立して定住に至る若者は、実際には少数派。新潟県地域政策課の鈴木孝英主査は「『田舎暮らし』にあこがれて新潟県に来ても、理想と現実のギャップにすぐに帰ってしまう若者も多いのです」とため息をつく。」

そこで若者にかわって高齢者に的を絞るようになったらしい。高齢者の移住による経済波及効果は大きい反面、当然のことながら医療費や福祉予算の圧迫を招くことも考えられると言う。

田舎暮らしにあこがれる人の大半は数年でまた都会に戻ることも多い。田舎=自然の宝庫・悠々自適な生活と思い込んできたら、人間関係のしがらみがあったり、プライヴェートな空間が確保できなかったり、地域住民から疎外されたりと、さまざまな問題があるからだ。

ヨソ者が或る共同体に入ることによってどのようなことが生じるのか。都会で往々なされる1日だけの異文化交流とは違って、生活が関わっているだけに切実なのだろう。

高齢化や過疎化は深刻なだけに各地域での慣習や文化を理解しながら共存できるような柔軟な思考をもつ人でないと、悠々自適な田舎生活は送れないだろう。

ただこうしたことが別荘地のようなリゾート開発になるのは避けてもらいたいところだが。。。