放射能汚染

イラクなどで使用された劣化ウラン弾はそれが投下された地域に放射能汚染をもたらし、そこで生活している人々に深刻な被害をもたらしている。戦争に参加した米兵士についても被害が出ていることは様々なことから証明されていると思うが、アメリカ政府はその事実を認めようとはしていない。

たまたまこちらのブログで紹介されている記事「隠蔽されたヒロシマ:いかにして陸軍省のタイムズ記者はピューリッツア賞を勝ち取ったか」を読んでいて、アメリカの変わりない様子を感じる。

上記の紹介記事では、ロンドン・デイリーエクスプレスに「原子の伝染病(THE ATOMIC PLAGUE)」という見出しで、1945年9月5日にウィルフレッド・バーチェットの記事が掲載されたが、9月12日にはローレンスのトップ記事「米国の原爆実験地は東京の話と矛盾:ニューメキシコの試験地で、放射能ではなく爆撃のみ損害を及ぼすことが確認された」が掲載され、バーチェットが非合法に広島を取材して得た事実が真っ向から否定されたらしい。

イラクでのことを考え合わせると、アメリカが日本にやってきて原爆について報道管制をしたのは周知の事実だが、原爆による放射能汚染によって亡くなる人々が大勢いるという主張が日本の降伏条件の緩和という点から主張されているプロバガンダだとして、原爆は投下された地域に放射能汚染をもたらすものではないとされた話が未だに通用しているように思われる。

両方の状況や社会的背景は異なっているので同列には論じられないが、どうも暗鬱たる気持ちになる。最近の日本の状況といい、どうも先行きが危ない話ばかりでげんなりしてしまうのは、論文の締切直前だからか。。。