電車の乗り方

少し前、こんな話を聞いたことがある。電車を利用する際、関東では縦に整列して電車を待つ(関東式)が、関西では横並び(つまり整列乗車をしない)する(関西式)、と。ここから関西はどうもいい加減だとされ、関東はその点マナーがしっかりしているという風に話は展開する。。。

しかしエスカレーターで急ぐ人のために片側を空ける際、関東では右を空け、関西では左を空ける。なぜそうなったのかは分からないが、京都は右を空けているところもあれば、左を空けているところもある。ロンドンでは左を空ける。アメリカではどうだったか。

ともあれ、電車を待つ際、ホームにいる人が少ない場合は、関東式がいい。先に並んでいた人が先に車内に入れるのは、先に待っていたという点で正当だから(これが通用しない国もある。例えばラテン系。それはそれでおおらかである....)。

一方、ホームが混雑している場合は関西式がよい。3列乗車と言っても大抵2列にしか並んでいないから、列が異様に伸びて、ホームの中央側が歩けなくなる。そうすると、後からホームに来た人はホームの縁、黄色い線の外側を歩く羽目になる。

ホームは一方通行ではないから、黄色い線の外側を双方向で行き交うのはちょっと危険だし、ホームに電車が入ってきたら、とても危ない。

第一、電車に乗り込む際には、ドアの前に皆が横になってしまうのだから、最初からドアの前を空けて、横に並べばよい。そうすれば、後ろに伸びる列も短くなって、後からホームに来た人たちも中央側で往来できる。駅員も「黄色い線の内側にお下がりください」を連呼しないで済む。

電車に乗り込む際にはまた別の問題もある。それはドアの前を広く開けない人が多いのはなぜなのかということだ。早く乗り込まないと、乗れないまま電車が出てしまうことへの恐れか、それとも乗り損ねると恥だと考えるからか。

車内に早く乗り込むには、ドアの前を広く開ければよい。そうすると、降りる人は早く降りることができるから、自然と乗り込む人も早く乗ることができる。

しかし日常に体験するのはこの逆だ。早く乗り込みたい人はドアの前を狭くしてしまって、降りる人が一人ずつ降りる羽目になり、なかなか降り切れない。乗り込む人はいらついて乗り込もうとしてドアの前をさらに狭くしてしまう。降りる人はさらに降りにくくなってもたついてしまう。待ちきれなくなった人が乗り込みだす....。

ある時など、ドアの前に立ちふさがった人がいて、その人がいるために降りられないので、もたついていると、思いっきり肩にぶつかってきた人がいた。なんと(と言ってはジェンダーバイアスがかかっているが)それは女性だったので、ストレス社会の歪みを強烈に受けているのだなと感じた。

また降りる方も厄介だ。ドアが開く前に動けるわけはないのに、皆そわそわし出す。よほどぎゅうぎゅう詰めにでもならない限り、体を密着させないが、降りる間際になると、ドアに向かって皆が体を寄せ合い始め、ドアの前にいようものなら、いろいろな人が押し迫ってくる。。。

言葉で言うと恥ずかしいから、その前に行動で降りる兆候を示して、それを察してもらいたいのだろうか。しかしドアは開いていないのだから動けるわけはないのだ。

もっとゆったりと構えて気持ちよく乗り降りすれば、例えばベビーカーで乗り込もうとする人に自然と手助けができるようになるだろう。このように思っているのは、たぶん、私だけではないだろう。

なんだか囚人のジレンマにも近い状況の話だが、つい現実逃避気味にブログを書いてしまう.....。