小泉改革をやめさせるには.....

今回の選挙では、天木直人さんと辻元清美さんとが立候補されている。天木さんは自身のHPで次のように語っている。

「私は小泉首相に『あなたの嘘の為に日本の心ある人々が悲しみ、悩み、憤った。今こそ間違いを認め、米国の軍事行動と決別すべきだ。それを小泉首相に求めていこう』と神奈川11区の有権者に訴え続けていく。」

郵政民営化に選挙の論点が矮小化される傾向がある中、平和問題を議論の主軸に置く姿勢は非常に大切だ。小泉改革にノンを突きつけるには、小泉首相自身を落選させるのが一番かもしれない。

尤も神奈川11区は彼の祖父、父から3代にわたる地盤なので、彼を落選させることは非常に難しい......。

一方、辻元さんの議論は国内問題に焦点を合わせ、小泉改革を批判している。HPでは、以下のように述べられている。

「小泉さんの推し進める改革という名の市場万能主義が『勝ち組』と『負け組』を作り出したことを実感しました。『負け組』とされた人たちからは悲鳴のような声が聞こえてきました。

このままでは、あかん。 

競争でなく、共生の社会をつくりたい。

『勝ち組』『負け組』ではなく、やり直しがきき、敗者復活がしやすい社会をつくりたい。」

「今度の選挙では『大きな政府なのか、小さな政府なのか』が問われているようにいわれています。しかし、私はこの議論はもう古いと考えています。お役所まかせの『公助』、何でも自己責任の『自助』のいずれでもなく、その間に『共助』の概念を入れた社会が新しい社民主義の流れです。わたしは、この『第三の道』を目指します。」

これだけでは詳細は分からないが、至極まっとうな議論の方向だろう。しかし日本では社会民主主義の流れが異様に希薄だ。欧州のように社民が一定の影響力を及ぼすようにはならず、自民党民主党という似たような政党がやりあっている。

そもそも二大政党制は現在どこまで実効的なのか。イギリスの状況を見ても、政権与党になった労働党に対して、保守党が労働者寄りの政策を主張するように、巨大な政党は与党か野党かの立場の違いで政策内容を変えているに過ぎない。与党と野党ということなら、何も二大政党制などと大層な言葉を使う必要はない。

そういえば、丸山眞男がどこかでこんなことを言っていた。イギリスの政治家は理念と現実とのバランスをきわめて見事にとるのに対して、日本の政治家は理念と現実とは別物だとして理念をあまり省みない。

治安強化、テロ戦争へと突き進んでいるブレア首相の行動を見ていると、イギリスの政治家も変わったなと思わされてしまうが、日本の政治家は様々な雑事に追われ、理念どころか、現実そのものもよく見えていないらしいから厄介だ....。

しかし庶民には負担増だらけで、下手をすれば戦争やテロで命までとられかねない小泉改革をなぜ支持するのか.....。