ロンドンの同時テロのことなど

今月、ロンドンで2度にわたり爆破事件が起きた。事件に対する様々な憶測や評価が飛び交っている。田中宇氏は「怪しさが増すロンドンテロ事件」で7日の事件に対する様々な情報を整理している。気になったのは、事件当日の同時刻、テロを想定して同じ地下鉄駅で訓練が行なわれていたというところだ。

記事にも出ているが、911の折もハイジャックされた飛行機がビルに激突するという想定で訓練が行なわれていて、米軍司令部が訓練のハイジャック機なのか、本当のハイジャック機なのか区別できず、対応が遅れたらしい。

今回のロンドンのテロも、同日同時刻の訓練に合わせてテロが行なわれたことについて、政府の関与が指摘されている。

これは政府部内にテロ実行者への協力者がいるということを意味するのか、テロ実行者の情報収集能力が高いのか(政府よりのセキュリティー会社のP・パワーが訓練の事実を公にしたことを考えると、これらの推測が正しいのかもしれない)、あるいは、少々馬鹿げているが、政府のいずれかの機関がテロに直接関わっているのか(これは馬鹿げた想定とは言え、最近に限らず、政治にまつわる様々な事件の多くは非常に馬鹿げていることを考えると、可能性は否定できない)。。。

サスペンスのように、誰が得をしたのかという視点は誰が犯行に及んだかを考える上で重要な指標になる。ただ陰謀説めいた話に終始して、事件が抱えるさまざまな意味を読み解くことを怠ってはならないだろう。。。

それにしても、ロンドンの警察の射殺方針とはちょっと恐ろしい。数年前までは拳銃を携帯せず(隠し持っていたらしいが)、警棒をもつだけだったイギリスの警察が疑わしきは射殺しても構わないという方針に転換するとは。

こうした警察の方針について、ロンドンの各新聞では当然のことながら批判が出ているようだ。。。

そういえば、昨日の研究会に来ていた某院生の話だと、秋葉原など外国人が多い地域で、リュックサックを背負っていると職務質問にあうらしい。

ロンドンでリュックサックを背負った実行犯がいたということで、リュックサック姿の人物を怪しいと判断するなど、テロ対策を言う割にはどうもお粗末な対応である。

さらに話は飛ぶが、昨日本富士警察署を通る。ここが丸山眞男長谷川如是閑の講演を聴きに行った際に誤って連行されたところかと思うと、妙な感慨に。。。

ともあれ、木曜日にある某研究会の報告準備をしなくては。。。

先日の場合と同様、ブログの文章が硬いというメールを数通受け取る。読み返すと、確かに硬い。くだけるのも「いかがなものか」と思うが、読みやすい文章を書くことを心がけたい。


先日、群馬でお世話になった方の庭に咲いていた紫陽花。やはり涼しさが違う。画像を見て、心の洗濯。

荻生徂徠
昨日の研究会の折、ベンサムマルクスを取り上げたので、他にベンサムと比較するのに格好な思想家はいないかという話になった。荻生徂徠の名をあげると、他の出席者も同感の様子。ただ彼は寛文6〜享保13(1666〜1728)年の人のようであるから、ベンサム(1747/8-1832)とは随分とずれてしまう。

昔、ここの某先生の日本政治思想史の講義で(もしかすると東洋政治思想史という講座名だったかもしれない)荻生徂徠のことを知ったが、その統治の学としての発想、例えば人々の奢侈を自ずと抑制へと導く「仕掛け」といったものがベンサムの間接立法の議論と通底するので、面白い比較対象であることは確かだ。