ブルー・ゴールド

『ブルー・ゴールド 狙われた水の真実』をDVDで観る。

映画は、『「水」戦争の世紀』(但し原著の75%の翻訳)に依拠している。さまざまな人が出演して(女性が多いのが印象的)、現在の水をめぐる競争と自然環境への破壊的影響について話す映像がひたすら流れるので、少し観ていて疲れるかもしれない。

映画『コーポレーション』でも鮮烈な映像が映し出されていたボリビアの事例などを織り交ぜながら、コーラよりも高いボトル水の値段の問題や、清潔な水が民営化のために手に入らず、汚水を利用せざるを得ない貧困層の問題など、重要な問題提起がある。

石油と違い、淡水は確かに、資源枯渇=砂漠化を招来してしまう問題がある。

但し、海面が暖められて水蒸気となり、雲が生まれ、山に雨が降り、河川を経て、また水蒸気になりというサイクルが、過剰な水の採取によっておかしくなりつつあるという議論には、若干、疑問も浮かんだ。

水の循環がおかしくなるから問題であるというよりも、地下水の過剰採取それ自体が問題なのではないだろうか。