プライドと偏見

オースティンの有名な小説だが、『高慢と偏見』とするか『自負と偏見』とするか、意見の対立があるので、キーラ・ナイトレイ主演の映画では『プライドと偏見』にしたのだろうか(しかしこの女優さん、あまり小説のイメージと合致しないように思える。単に好みの問題だろうけれども、どうも「現代的」過ぎる演技だ)。

ともあれ、今日必要があって、一部分だけを見た。エリザベスがダーシーからの思いもかけない求婚を断った後、叔父夫妻と一緒に旅行中、叔父らの希望で、ダーシーの所領ペムバリーへ行くことになってしまった場面である。

ダーシーの所領は18世紀のいわゆる風景庭園とよばれるもので、オースティンが言及している形からして、ケイパビリティー・ブラウンの理想的な風景庭園のように思える。

実際、映画のロケ地は、チャッツワースで、ここはブラウンの手で大きく変わったところ。

高低さをつくり、曲がりくねったところ、そして、オースティンが語る、自然さに溢れていて、人工的なところがないというところ、これこそ、まさしくブラウンの「自然を学べ!」である。

ところが、映画では、一応、風景庭園らしい雰囲気には見えるのだが、いまひとつ、その点が明確に描かれていないのが残念。