漢字の表記

最近、漢字の表記で、迷うことがあった。

そこで翻ってみると、漢字の表記は明治以降、窮屈になってきてしまったことに気づく。これは文明国の仲間入りをするために、たとえばカナモジカイのように、漢字表記を表音文字化するような動きと連動しているし、それはさらには、日本語の標準化とも連動している。

明治期に、カタカナが一音一字に決められたように、送り仮名を含めて、漢字の当て方に統一性が要求されるようになった。

歴史的に筆写間違いや簡略化によって、さまざまな異字体が生まれたものの、当用漢字などによる「規格化」によって使われなくなり、同時に正字体も駆逐されてしまった。

いまさら、正字を使うことなどできないだろうけれども、漢字を日本語から放逐する過程の産物である当用漢字のような「悪字」は、いい加減、見直してもらいたいものだ。