料理に暮れた一日

昨晩は、スウェーデン人研究者のTさんをお招きして、日本酒の美味しさを味わっていただく会を開く。

朝、築地へ。一昨日にファクスで注文しておいた国産の魚貝類を受け取る。平目の値段はまぁ相場なのだけれども、1.9キロのものを頼んでしまっていたので、ちょっと予想外のお値段。しかし肝がこれまた予想外の美味しさで、まいった。

某懐石料理講習会では、肝は捨ててしまっていたけれども、こんなに美味なものはお酒と一緒に戴かなければ、もったいない。 
(昨晩読んでいた本で、戦中だったか、柳田が「食う」と「食べる」。「うまい」と「おいしい」について、前者の言葉遣いが上品さに欠けると思われていることに疑念を呈していたが、最近は、食べるでさえ、上品さに欠けていて、戴くがそれにとってかわっているようだ)。

青森産の平目は、見た目からして、甘味があり、美味しいそう。ただろくな包丁をもっていないので、5枚におろすのにOさんと一緒に難儀する。

また北海道産の雲丹も絶品。ただ値段的には、雲丹はあえて国産にこだわる必要はないかもしれないとも思う。

変わったところでは、種子島の安納芋。とても甘いお芋で、焼くとよいというが、蒸かした方が美味しいようにも思う。

江戸野菜の千寿葱も初めて知る。持ってみると重い。これは甘そうだと思ったが、予定の献立にあった平目の雑炊は、結局、すでに食べ過ぎの状態だったので、出さず。。。

この雑炊に入れようと思っていたのが、天然の平茸。今日のお昼に食べたが、肉厚でジューシー。長野産というから、長野の山に入れば、条件さえ整っているところに生えているのだろう。

数年前、原木を使った椎茸栽培をしている方のところで、椎茸をもぎって、すぐ食べさせてもらったが、あのジューシーさを思い出す。

ともあれ、先日購入した蕪が実は聖護院でないことが判明。道理で形がちょっと違うわけだ。千枚漬けにしたものの、甘味と瑞々しさがやはり足りない。

その後、場外で西京漬けを探す。いくつかお店があったが、早めに買ってしまって、ちょっと後悔。

ともあれ、くどき上手 愛山の美味しさには、どのようなお酒でも太刀打ちできないかなと改めて思う。。。