懐石のことなど

久々に食べものネタを。

今日は、信州での窯焚き手伝いが急遽なくなったので、懐石料理講習会のお手伝い。まず早朝の築地へ買出し。

道行く人を眺めると、観光客の増加に驚く。世界最大の魚市場を人目見ようとやってきている。それはそれでよい観光資源なのだろう。

築地市場駅では、日本人や中国人、韓国人のツアコンのような人が、他の人を案内している姿によく出会う。

まだ人が集まり始めた段階なので、築地でも対応がほとんどできていないが、次第に、態勢は整えられてくるのではないか。

ただ買いもしない人が、朝の忙しい時間帯に場内に入って、のったりと歩いているのは、ガイドブックなどで注意した方がいいだろう。

さて、東京では、おそらく築地本願寺にしか売っていない美好園のお抹茶(老松、百華)を購入(講習会で使ったのは老松。百華は自宅用。コストパフォーマンスに優れたお抹茶)。

場外で、朝ごはん。普段は朝食を摂らないが、今は喉の薬を飲むために無理やり摂る。900円の三種盛り丼を食べる。さすがに最近ウニのいいのを食べたせいか、安くてもくさいウニには閉口する。

その後は、頼まれていた上用粉を探すも、どのお店にも売っていなくて、結局、手に入らず。じょうよう饅頭を作るのに使う粉で、上新粉のさらにきめの細かい粉。こちらは、講習会開始後に、もうすぐ閉店する新宿三越の地下2階のクオカで購入。

途中、山葵専門店で、御殿場の山葵を一本、和三盆、干しエビ(お好み焼き用に)、Oさんに頼まれていたケジャン(蟹キムチ。食べた後の殻はチゲにするとよいとか)、赤ホヤ(これを食べると、普通のホヤはとても食べられない)、大間のマグロの中落ちのブツ切りを購入。

場内では、藻塩、カワハギのキロ3千円に心を動かされながら料理の汎用性を考えてズワイ蟹のフレークと、聖護院(蕪か大根か分からなくなってしまった)を購入。

以上の買い物は、懐石料理講習会の内容とはまったく無縁。講習会では、夜噺の趣向で、お向こうは蕪。しかし、生魚がやはりいいなぁと思った次第。

煮物椀は、蟹真丈に人参、大根、青実、柚子。しかし真丈というのは、そんなに美味しいものだろうかと毎回疑問になる。いや、真に美味しい真丈に出会ってないだけかもしれないが、それなりのお店で出て来るものもそれほど感心しない。

単なる好みの問題に過ぎないのだけれども、あのふわっと感がいまいちで、もっと存在感のあるものにならないのだろうか。もちろん、ふわっとした感じが、よく作れている真丈であるわけだが。。。

しかし上に乗せた青実と柚子の凛とした風情には、なんとも言えない緊張感というか、小気味のよさを感じた。

問題は千枚漬け。化学調味料を入れないと売れないのは分かるが、しかし、あれ、なんとかならないものだろうか。味が濃くて、仕方がない。。。

ともあれ、今回はおコメの湯炊きを見直したり、いろいろ収穫のある講習会だった。