キューバの都市農業

『サルー!ハバナ』ドキュメンタリー映画を観る。キューバソ連崩壊による輸入の途絶と、アメリカの経済政策によって1990年代に深刻な食糧危機に陥った。

そこで発想の転換を行ない、消費者を生産者にするというアイデアで始められたのが都市農業である。とくに都市部でのオルガノポニコによる栽培には、驚いた。日本などではガーデニングで使われるものだが、それを野菜の生産に応用して普及させていたからだ。

このようなキューバでの都市農業については、こちらのサイトで手際よく紹介されている。

キューバの事例を見ると、有機農業を生活の場に浸透させることは、或る程度可能なのだなと思う反面、それはやはり資本主義の網の目から疎外されているからこそできることでもあるのだなと思われる。

資本主義の中での対抗運動ではなく、その外部で行なわれるからこそ、こうした生産のあり方が可能なのだろう。日本でも周辺的な地域において或る程度、こうした営みが続けられているが、それが大勢となることは、昨今の食の安全の流行にもかかわらず難しいことだろう。