雑感

「沖縄戦集団自決 『本質伝わらない』」文科省の検定で、沖縄戦での集団自決について、軍の強制はなかったといった趣旨の検定意見がついた。従軍慰安婦の問題もこれとほぼ同型の問題だろうか。

最近、妙な実証史学の影響なのか、史料がなければ、その事実は存在しないという話がまかり通りつつある。こうした態度からは、逆に史料があれば、実態とは異なってもその通りのことが起こったとされてしまう傾向がある。

しかも日本軍内部のミクロな次元では、例えば兵に供給された銃は天皇陛下から戴いたものなのだから、粗末に扱うことは許されない(→殴られる)といった妙な精神主義が蔓延っていた。

何かの法なり普遍的なものに依拠したものではない「命令」が多くの悲惨な結果を生んだことは、ことに沖縄戦では明らかなのだが、軍の正式な命令書がなかったからと言って、日本軍による沖縄での蛮行が消されるものではない。

悲惨な事件に関する想像力の欠如と記憶の風化は怖いことだ。

4月8日の都知事選が一応それなりの注目を浴びている中、いい加減な国民投票法案が検討されようとしている。

阪神の大震災が起きた際、ドサクサにまぎれて神戸空港の申請を行なった市長のように、メディアを賑わす事件の陰で、重要な案件が進められていることに注意深くならないといけないかもしれない。。。