いじめの問題....

某原稿締切を明日に控え、手直しに追われつつ、雑用をこなす。

東京新聞の(内容はつまらない)記事が眼に入る。「いじめ緊急提言決定 『見て見ぬふり』も加害者」

 いじめ問題がまるで新しく出てきたので対応しましたといったニュアンスの、今更ながらの「緊急」提言ということに驚きつつも、そもそも
首相官邸の教育再生会議の「構成員」
というところには括弧して、「有識者」とある。

いじめ問題や教育について知識のある人々かと思いきや、エッセイストや小説家、会社役員、果てはスポーツコメンテーターが名を連ねている。いじめのことについてまじめに取り組もうとしたら、そもそもこんな人選はしないのではないか。

こうした人々に加え、日々恐ろしいハードスケジュールでいじめの実態などを知る由もない安倍晋三首相、伊吹文明文部科学相も参加している。所詮、実態を知らない人たちが無駄な議論を重ねているだけのものとしか思えないし、実際出てきた提言なるものは以下のようなものだ。


■緊急提言骨子

▼いじめ解消の第一次的責任は校長、教頭、教員。教育委員会、保護者、地域が社会総がかりで早急に取り組む

▼いじめを見て見ぬふりをする者も加害者と指導。いじめを訴えやすい仕組みを設置

▼学校は、問題を起こす子どもへの社会奉仕や別教室の教育など指導、懲戒の基準を明確化。毅然とした対応をとる

▼いじめを理由とする転校も認められることを周知する

▼いじめにかかわったり、放置・助長した教員に懲戒処分適用

▼いじめがあった場合、学校は隠さず保護者らに報告、家庭と地域一体となって解決に取り組む。教育委員会もチームをつくり学校を支援

知人も指摘していたが、なぜいじめが起こるのかという問いがなく、すべては起こってしまった責任は誰かという視点でまとめられていて、なんら抜本的な対策にはなっていないし、そもそもこんな低レヴェルなことを「緊急提言」として公表することに恥じらいはないのだろうか。

ほとんどの子供が、いじめたり、いじめられたりという関係の中で生きていることからすれば、たまたまいじめていた子供だけを「問題児」として見せしめにすることは、解決への本質的な糸口になっていない。

教育基本法の改悪にも見られるような学校での教育内容云々以前に、(イリイチが相当昔に問題化していたように)学校教育そのものが問われていることに政府は気づくべきだろう。

さて、仕事。。。