学会終了
11日で学会本体は終わり、翌日は残務処理。別のスタッフは鎌倉へ(Big Budda Tour)。鎌倉へは久しく行っていないので、残念なところ(念願のアルセストにもまだ行けていない)。
学会参加者からはいろいろ日本のことについて聞かれたが、印象に残っているのは2点。
1つ目は最近生まれた秋篠宮ご夫妻のご子息の件。BBCで放映されていたものでは、街中がお祝いムードに満ち溢れ、まるで日本中がお祝いしているかのようだったらしいが、本当のところはどうなんですかというもの。
確かに街を歩くと「おめでとうございます」の言葉が目に付く。メディアにしても、かつての「自粛」を思い出させるような過剰な報道があったらしい。
もちろん、ひとつの生命の誕生は喜ばしいことであるが、その政治的利用はあさましい。
もう1つは、日本で個人的自由はどの程度実現できているのかという点。イタリアは家族の絆が強かったけれども、最近個人主義化していて、かつ少子化の問題が生じているという。
経済的に発達した国に共通に見られる現象なのだろうけれども、日本はやはり過剰同調というか、個人を抑圧するプレッシャーが強いのではと言っておいたがどうだろうか。
先日のRosenさんのベンサム・セミナーで、フーコーに批判的に言及したペーパーを発表したところ、そもそもフーコーを使っていること自体が問題だというコメントをもらう。
以前からイギリスの研究者はフーコー・アレルギーがあったことはわかっていたが、まさかあれほどとは思わなかった。
現在フランスでもフーコーは誰も読んでいない(代わりにベンサムが読まれ始めている!?)、フーコーを読んでいるのはアメリカ人の若干数と君だけなどと言われるが、或る人が言っていたように、ナショナリズムというか、英仏の歴史的に根深い亀裂の問題かもしれない。
一方、教育学の領域ではフーコーに言及しない研究者の方が珍しいらしく、ベンサムを語ってフーコーに触れないと、なぜフーコーに触れないのかという質問がやってきて、食傷気味らしい。
さて明日はRosenさんの本にどのようにコメントすべきか、これから練らないといけない。