リハビリの打ち切り

多田富雄氏が4月8日の「私の視点」で、リハビリについて投稿していたことを昨日初めて知る(不覚)。

少し長いが、以下に部分的に引用しよう。

「今回の診療報酬改定で、医療保険の対象としては一部の疾患を除いて障害者のリハビリが発症後180日を上限にして、実施できなくなったと宣告された。私は当然リハビリを受けることが出来ないことになる。」

「私はリハビリを早期に再開したので、今も少しずつ運動機能は回復している。

ところが、今回の改定である。私と同様に180日を過ぎた慢性期、維持期の患者でもリハビリに精を出している患者は少なくない。それ以上に機能が低下しないよう、不自由な体に鞭打って苦しい訓練に汗をながしているのだ。

そういう人がリハビリを拒否されたら、すぐに廃人になることは、火を見るより明らかである。今回の改定は、「障害が180日で回復しなかったら死ね」というも同じことである。」

「私はその病院で言語療法を受けている。こちらはもっと深刻だ。構音障害が運動麻痺より回復が遅いことは医師なら誰でも知っている。一年たってやっと少し声が出るようになる。もし180日でうちきられれば一生はなせなくなってしまう。口蓋裂の子供などにはもっと残酷である。この子らを半年で放り出すのは一生しゃべるなと言うようなものだ。言語障害者のグループ指導など出来なくなる。

身体機能の維持は、寝たきり老人を防ぎ、医療費抑制する予防医学にもなっている。医療費の抑制を目的とするなら逆行した措置である。」

こうしたリハビリテーション医療の打ち切りについては、反対する署名活動が行なわれ始めている。

障害者自立支援法も、個人情報保護法などと並んで目的と手段が合致していない、とんでもない悪法だが、今回の診療報酬改定のように、個々の実情に即して声をしっかり上げていく必要があるだろう。

さて仕事....。