wellbeing.....

お昼、歯科で歯のケア。3ヶ月に1度チェックを受けることになっていて、たいてい歯を洗浄して終わりだが、今日は少し驚かされる。

いつものように口を開けて洗いだすのかと思ったら、口の中を見た途端、なんだか動きが止まっている。どうしたのだろうと思っていたら、

「前歯をどこかに強くぶつけたことはありますか」
「....いえ、特にありません」

何か器具で下の前歯の歯茎をコツコツと叩く。
「痛くありませんか」
「....いえ、痛くありません」
「実はレントゲンで見ると、下の前歯の神経が少し黒くなっていて、神経が壊れているかもしれません。次回レントゲンを撮ってみて、黒い部分が広がっているようだったら、治療する必要がありますので....」

このように言われると、下の前歯の神経辺りに痛みがあるような気がしてくるから不思議だ。しかし30分ほど歯を洗って磨いて薬を塗ってという作業で3割負担の2千円ちょっとというのは、なかなかよい商売だなと思いつつ、日本でこれだけ歯科が多いと生き抜くのは楽ではないだろうなと思う。

そういえば、ちょっとショッキングなニュースを知る。「国保『停止』の11人死亡 保険料払えず受診遅れ」。記事の最後、体調を崩し、働けず、保険料を支払えず、病院に行けず亡くなった30代の女性の話は本当に悲惨なことだ。

保険料アップ、年金負担の増額、年金受給の減額、高所得者層と低所得者層への二分化や不況の影響など、生活の苦しい人がますます多くなっているが、これは他人事ではない。

福祉切捨の背景には(政府主導の)妙な「自己責任」論の蔓延があるように思われるが、国家財政の「損得」計算と人命の尊重(受苦や痛みと言い換えてもよい)とは鋭く対立する(これをネオリベラリズム功利主義の対立と言っては言い過ぎかもしれないが)。