昨日は

ベンサム研究会。午前中はイリイチ『生きる意味』の合評会。イリイチは昔『ABC』で挫折しただけに今回の本は本当に勉強になる。かつて「反動的思想家」とレッテルを貼られてしまい、葬り去られてしまったようだが、とても誠実な思想家であるように思われる。

「「システム」「責任」「生命」への批判」という副題が示すように、現代のトレンドになっている議論への痛烈な批判の書であるも。ジェンダーとセクシズムの問題の腑分けや「名詞ではなく動詞を」といった問題をはじめ、女性差別を逆に増大させたフェミニズムへの批判、ケアに意気揚々とする人々への批判、責任を声高に主張する人々への批判など、一聴に値する議論と思われる。面白い。

午後は博士論文の検討会をして頂く。総論から言えば、まだまだ詰めが甘い。一番よくなかったのは、或る一節について聞かれたことに即答できなかったこと。

思い出すのは、某法哲学の先生が自分の論文のどんな箇所でも完璧に答えられなくてはならないという言葉。反省することが多い初冬の日々。。。