プロ

耐震強度偽造が明るみに出た。

計算書を偽造したとされる建築設計事務所(千葉県市川市)も問題だが、ちょっと気になったのは、建築確認や中間検査、完了検査のすべてを担当する指定確認検査機関の言葉。

「建物の内部を視認できる中間検査で耐震性不足の疑いを見抜けなかった点について、.....「現場で見ても、鉄筋が少ないことなどは相当のプロじゃないと分からない」と釈明している。」

見た目で見抜くにはおそらく相当の経験を積まねばならないことだろう。「相当のプロ」は厳しい徒弟制などがないところではまず育つことはない。

「ほどほどのプロ」が当たり前のご時世。検査と言っても、或る程度の知識をもつ人間が検査項目をチェックするだけで事足れりとするほかない。

「相当のプロ」がいなくなり、「ほどほどのプロ」が幅を利かせているのは、どこの業界でも同じだが、それは市場万能主義に淵源する問題なのか、豊かな社会の問題なのか.....。

全体が豊かになると身体的な技術レベルが落ちてしまうという、よく見られるこの現象は興味深い。