ファルージャ

イラク戦争においてファルージャの虐殺というのがあった。日本のメディアでは単に武装勢力の掃討といったニュアンスで報道があったが、実態はひどいものだった。

銃で撃たれた肉親を救い出そうと通りに出ると、米兵から狙撃される。肉親が目の前で息絶えながら、何日もそのままにせざるを得ず、救急の医療班の車にさえ米兵は陰から狙撃をしていたファルージャである。

そのファルージャの虐殺について、イタリアのテレビ局がドキュメンタリーを制作した。「Fallujah: The Hidden Massacre」である。

正直見るに堪えない映像である。しかし「…よく見ろ日本人、…これが戦争だ」と訴え、テロへの危機意識を募らせる映画とは異なって、そもそも日常の世界からは正視していられないのが戦争の実態である。

この点、平和な日本にいて考えるべきことは、日本がテロに遭うことへの危機感を煽ることではなく、日本が現実に関わっている戦争に抗議することにあるだろう。