ハリケーン・カトリーナによる「人災」

CNNによると、「米国の気象分類で最大級を示す『カテゴリー5』のハリケーンが米本土に上陸するのは、20世紀に記録を取り始めて以来、1936年9月上旬、1969年8月の「カミール」と1992年8月の「アンドリュー」に次いで4度目。「カミール」はミシシッピーに上陸し、256人が死亡。「アンドリュー」はフロリダに上陸し、23人が死亡した」そうである。

Asahiによると、「カトリーナの中心付近の最大風速は上陸前、一時毎秒80メートル近くに達し」、さすがのブッシュ大統領も、「28日、滞在先のテキサス州クロフォードで記者団に『このハリケーンの危険性について強調しすぎることはない』と語った」そうである。

しかしである。Asyuraによると、スペインの「エル・ペリオディコ紙は、ただでさえ海面すれすれ、あるいはそれ以下にあるニューオルリンズの下層地区(主に黒人の居住地区)が、ブッシュ政権が促進した「都市開発」によってどれほど災害に無防備にさせられてきたのか(クリントンは「都市開発」を押し止めていた)、を正当に批判」しているらしい。

つまり今回、ハリケーンで生じた災害は「人災」でもあり、都市開発が被害を大きくした可能性がある。

Bellaciaoによると、BBCの放送では米軍がハリケーンの通過後すぐに救援を始められるよう準備を進めていたが、ブッシュ大統領の許可がなかなかおりなかったので対応が遅れたのだという(4000人の兵士や海兵などが待機し、9百万人分の食料や水が用意されていた)。

また平時に緊急事態に対処するはずの当地の軍も、多くがイラク戦争へとかり出されていた。9月4日のWayne Madsen Reportによると、イラクへ派遣されているルイジアナミシシッピィ出身の兵士がアメリカへの帰国を要求しているようである。

被災地では、白人は車で脱出し、ホテルに住まうが、黒人はドームや劣悪な環境に置かれている。これでブッシュ支持の基盤だったというのだから、皮肉である。

新聞のインタヴューで、或る白人が、ハリケーンで家が壊れたようなので、保険を使ってようやくバスルームを改装できると言っていたのが、彼我の差を如実に表している。。。