お昼

1月に放送されたテレメンタリー「もちづき語り部の会」のビデオを観なおす。昨今、スローフード有機農法などがもてはやされているが、長野県望月町(今年4月1日に佐久市と合併、佐久市望月に)での実践はたいへん参考になる。

望月かたりべの会では、養蜂、養鶏、野菜・稲作、菓子、蕎麦、日本酒に関わる7人の男たちが、安全で素性の知れたモノづくりをキーワードにしながら、地域でネットワークを作り、大地に根を張った生活をしている。

伊藤盛久さんは疎植一本植(字の如く、稲を1本ずつ植えて行く。しっかりした稲が育ち、台風などにも強く美味しいお米が取れるらしい)を行い、由井啓盟さんの有機農法では土作りの大切さを説く。そこにはあるのは、自然がしてくれることに対して余計なことはしないという発想だ。

職人館の北沢さんの「レシピがあって食材があるんじゃないんだよね。食材があって、それをどう作るかってことなんだ」という言葉には、山に分け入り、その季節季節に取れる山菜や野菜を即興で料理していくという北沢さんのスタンス、そして、おそらく、食の原点が示されている。

アコーディオンcobaさんと北沢さんが由井さんの畑で当たり前のように野菜をつまみ食いしている姿には、本来あるべき野菜作り、食のあり方を見ることができる。

この点で、谷川俊太郎・小室等・北沢正和ほか『畑で野菜をつまみ食い』(ふきのとう書房)はお薦め。内容の詳細はふきのとう書房のサイトから。