坂本龍一

小学生のときにYMOの音楽に接して、最初にぐいぐいと魅了されたのは、坂本龍一氏の作曲した曲だったように記憶している。

もちろん細野晴臣氏や高橋幸宏氏の曲もよかったのだが、何かこう、沖縄の音楽などをベースにしたあの異様に複雑なリズムや和音が気に入ってしまっていた。

それからYMOも散開(解散)して、そのあとはソロ活動でいろいろ聞いていたものの、大学で大森荘蔵廣松渉の哲学に接し始めて、坂本氏が大森荘蔵との対談本『音を視る、時を聴く 』を出していることを知って、さすが「キョージュ」だと思ったものだった。

しかも80年代辺りの対談では、坂本氏の口から廣松渉の哲学の話が飛び出してくるに至っては、時代の雰囲気もあるのだろうけれども、考える音楽家もいるのだなと思ったものだった。

最近は六ヶ所村の運動をはじめ環境問題や音楽著作権、バンクなど、いろいろな活動をしているなぁと思っていただけだが、ひさしぶりに、その活動を紹介する記事を読んで、懐かしく思った。

社会的に意義のある活動にこそ関わらねばならないというのは、自分が研究する思想との関連においても、常に見失ってはいけないことだと思う。

ちょうど年の瀬でもあることだし、自分の行く末を見据え、すべきことをしなければと思う春待月の宵。