窯焚きのDVD....

今日は少し休もうと思ったものの、某学会の最後の事務仕事を片付けたり、調べ物をしているうちにお昼過ぎになる。

そこで昨秋に信州で手伝った窯焚きの様子を編集したDVD『自然釉 炎の世界 〜本松陶秋〜』の制作。

内容は完成していて、後はどんどんコピーをして、ラベル表面に印刷していけばいい。本当はコピーガードをかけたいところだけれども、残念ながら、その場合は、専門の業者に頼んで手数料を支払ったりと、いろいろ面倒なので、止めにした。

内容は、まず古越前の技法である捩じ立て(輪積み)技法の映像。

高さ60センチほどの大壺を作るには、6〜7工程をかけるが、1工程、だいたい40分かかる。1工程終ると、土がよい加減に乾くまで待つ。それがだいたい1〜2日。

昨年は湿気が多かったので、なかなか乾かず、1個作るのに2週間くらいかかった。

映像としては壺が半分くらい出来上がったところから、1工程40分くらいのものを7〜8分にまとめて、壺が完成するまでを追ったもの(実際に撮影したテープは3本あって、計6時間ほどを収録している)。

次は本編である窯焚き(窯焼きとも言う)。昨年は3日間、合計57時間にわたって焚いた。そのときの映像もテープ5本分、8時間にわたるものだけれども、それをだいたい50分くらいにまとめる。

正直、窯焚きってこんなに楽なんだと勘違いしてしまうほど簡単に焼いていく本松氏の技量には驚くばかり(実際、多くの人が勘違いしてしまうらしい)。

だから窯場では犬が寛いでいるし、小さな子供も遊びに来る。焼き芋をしたり、栗を焼いたり、とてものんびりとした雰囲気が漂う。

そして、さらには薪の焼けカスである「熾き」が溜まる場所に、折からの大雨で水が吸い寄せられてきて、ジャバジャバとまるで水溜りのようになってしまった。

こんなことは普通ではとんでもないことだけれども、本松氏は少しも慌てず、まぁこんなこともあるだろうということで、窯焚きに影響しないように、焚き方を調節したようだ(「ようだ」というのは、正直、どのように窯を調節しているのか炎を見極められない私では分からないからだ)。

3日にわたった窯焚きの様子が流れた後は、付録で、「窯焚きについて語る」と題して、本松氏が窯焚きのちょっとしたエッセンスを語る映像が10分ほどある。

氏の窯焚きでは楢、松、竹を使うが、それらの性質の違い、また実際の焚きでどのように使い分けるのがよいかといったことや、還元や酸化にはさまざまなレヴェルがあって、それを見極めないといけないといったことなどが語られる。

最後はいよいよ窯出しで、昨年の窯焚きで焼かれた作品を堪能する、という次第。

窯焚きについては、今まで氏が語ったことの10分の1くらいしか収録していないけれども、すべて収録しようと思ったら、とても74分のDVDにはおさまらないので、それはまた別の機会に、別の形でまとめることにしたい。

ともあれ、DVDはもうじき本当に完成なので、その折にまた宣伝させていただくとしましょうか。