『陶磁郎』47号 大壺特集

18日に発売になる『陶磁郎』の47号に本松陶秋氏のことが載っている。先月、本松氏のところに取材に来たらしい。

現代陶で大壺となると彼を外しては考えられない。壺の成型には轆轤、紐作り、叩きに並び輪積みは外せないからだ。

そもそも本松氏が師事した8代目藤田重良右衛門氏は輪積みだけでなく、焼きも凄かったらしい。

それまで窯焚き(窯焼き)は窯の神様に任せるしかないという人智を超えたものだと思っていた本松氏。藤田氏から思い通りに焼けなければプロではないと言われ、衝撃を受けたという。

どのような窯でも、思い通りに焼くことができてこそプロであるというのは確かにその通りだろう。

一焼き、二土、三造りと言われるように、焼きこそ焼き物において最重要のものである。

現代においては昔に比べてよい土がめっきり減ってしまったが、造りという点で、輪積みの技法は貴重である。いわばコテのみで壺を仕上げるわけであり、轆轤のような道具は一切使わない。

しかし轆轤3年に対して、輪積み10年と言われるほど、その習得は厳しい。

さまざまな伝統技術が消失していく中、輪積みもあと数十年すると世の中から消えているのかもしれない.....