改めて、選挙結果について
今回の選挙について、興味深い数字がある。xialuさんのブログ A Gentle Spiritによると、
「(1) 自民圧勝、得票率と議席数がかい離する小選挙区制
http://www.excite.co.jp/News/politics/20050912104100/20050912E10.020.html
毎日新聞の集計によれば、今回の衆院選小選挙区の有効投票総数(約6806万票)のうち、党候補の得票は、
・自民党 約48% / 民主党 約36% (比率 1.3:1)
東京都の場合、都内25小選挙区の有効投票総数のうち、党候補の得票は、
・自民党 約50% / 民主党 約36% (比率 1.4:1)
これに対し、獲得議席数は、
であったということだ。 orz
(2) 投票率が過去最高、小選挙区選は67.51%」だったそうである。
小選挙区という制度が大量の死票を発生されるという点については、これまでにも活発に議論されてきたが、改めてその問題を考えさせられる。得票だけで考えれば、自民はそれほど大勝はしていない。
議席占有率61.7%は驚異的な数字であると朝日新聞は言う。「議席数では中曽根内閣の86年に行われた衆参同日選で獲得した300議席に迫った。この時も「自民圧勝」と言われたが、議席占有率は定数512に対し58.6%。」
また「今回、女性の当選者は43人と戦後最多。このうち6割の26人は自民公認で、候補者全員が当選した。小泉首相が郵政法案反対組の対立候補や比例単独候補に女性を積極的に登用したことが記録更新につながった」らしい。
「刺客」候補者の女性の多くが、郵政民営化を口にしていたが、あれは内実を分かって叫んでいたのだろうか。男女比があまりにも偏っているので、今回の女性の躍進はそれ自体歓迎したい事柄。が、内実がやはり、どうも.....。エヘン、ゴホン。。。
ともあれ今回大敗となった民主党にはそれなりの理由があった。結局、自民党とどこが異なる政党なのか、よく分からなかったという点である。
例えば、郵政民営化が国家の問題としてそれほど緊急時なのかという岡田氏の批判は確かに重要な問いかけだったが、それ以外については年金問題などを論じる以外に独自性を出せなかったし、憲法論議や平和問題についても、まともに論及していたとは言いがたいようだ。
憲法問題や平和問題については共産党、現在のネオ・リベラルの競争社会に否を突きつけていることについては社民が主張しているから、その点でも民主党の独自性はよく見えない。
夕食の折に、ちょっと話が出たが、やはりもう少し有権者にアピールするようなことを言うか、イメージ作りをしていく必要があるだろう。
単なるイメージ作りはよくないが、いわばレトリックとしてイメージ作りをすることは重要なはずだ。その点で小泉首相のスピーチはどこまで言っても程度が低いが、その姿勢、つまり「頑張っています」というアピールについては上手だったと言えるのかもしれない。
現在の状況で妥当な政策は何か、それについて論理的な議論がされているかといったことが人々の評価基準としてあまり重んじられず、ただその政治家が(どのようなことをしていようとも)誠意がありそうな人物かどうかという点で評価されてしまうことを、単に成熟度が低いと言うだけで済ますわけにはいかない。。。